↓陸に揚げられた型で、巨大な<黄金橋>を背景に船が鎮座している…

↑やや「変わった形?」な船だが…これはソ連軍の昔の潜水艦で<С-56>(S-56)という…
“С”(エス)は「Средняя」(スリェドニャヤ)から来ているそうで、「中型の」というようなことであろう。1939年に進水し、第2次大戦期に活動、1955年に退役している。1975年から、金角湾を望む場所に揚げられて、展示されている。辺りは第2次大戦の戦没者を記念する広場が設けられている…
↓延長は77mに及ぶということで、なかなかに細長く大きい…

第2次大戦期の潜水艦?これは「常時、海中に在る」というような近年のモノとはイメージがことなる。殆どの時間は洋上を航行していて、作戦行動や攻撃から逃れるという限られた場面で海中に潜航することになっていたのが、第2次大戦期の潜水艦である…
↓洋上で戦闘に及ぶことも在る訳で、こういうような艦砲が据えられている訳である…

↑近年の潜水艦は、「艦の上で乗員が動く」ことが殆ど想定されていないが、第2次大戦期の潜水艦は細長い甲板が設えられていて、こういう艦砲を操作するような場面も在ったようだ…
↓<С-56>は博物館になっていて、中に入ることが出来る…そして入場料の100ルーブルに加えて、50ルーブル払うと、写真撮影も許可になる…(ロシアの博物館では「在る」パターンのようだ…)

↑流石に、潜水艦の艦内は狭隘だ…
艦内には、この艦の沿革等を紹介する「普通の展示」も見受けられるのだが…それ以上に「艦そのもの!」が「大変に貴重な展示」である…
入口は艦尾の側で、艦首側へドンドン進む。第2次大戦期の潜水艦…「水圧に耐える」、「損害を受けた際への備え」ということで、頑丈な隔壁で艦内が区画分けされ、「他の区画」への通路は狭い…
↓恐らく「指揮所」であった場所であろう…潜望鏡が在る…

↑潜望鏡は機能していないようで、恐らく艦橋部から甲板へ出られる階段が現役時代はこの辺りに在ったのだと想像したが、それは撤去されていた…
↓艦首の魚雷発射管が据えられた辺りへの通路だ…

↑乗員の寝台も在ったようで、「上がらないで下さい!!」の貼り紙も見受けられた…
↓大きな魚雷、乗員の寝台、4本の魚雷発射管…なかなかの迫力だ…

↓「2番管に装填!」という感じに展示されている…

↓魚雷発射管の蓋は、レニングラードの工場を示すと見受けられる語が確りと鋳造されている…

何れにしても…第2次大戦期の潜水艦というのは…なかなかに大変な乗物だったことが判る…以前に楽しんだ『Uボート』という映画に出て来る潜水艦に一寸似ている…殆ど同じ時期の艦なので、それも当然なのだが…
↓こんな時代の潜水艦の「中」まで視られるような事例…余り思い当たらない…そういう意味でも、大変に興味深く見学した!

ウラジオストクを訪ねるということで「あれ!!」と覚えていたこの潜水艦…出会うことが叶って好かった…
【関連する記事】
- ロシア製のネクタイ(2018.04.14)
- 搭乗待合に在るカフェで求めた珈琲:ウラジオストク空港(2018.04.16)
- “アムールヒョウ”のグラフィティー:ウラジオストク(2018.04.15)
- ウラジオストク:GUM百貨店(ГУМ)の建物(2018.04.14)
- A.S.プーシキン像:ウラジオストク(2018.04.14)
- 新旧の海軍艦艇が視える海岸:ウラジオストク(2018.04.15)
- “オリヴィエ・サラダ”(Салат Оливье)=「ロシア風サラダ」とも言われ..
- ヤコヴ・ラザレヴィチ・セミョーノフ(Яков Лазаревич СЕМЕНОВ..
- ウラジオストク都心部の案内標識(2018.04.15)
- 朝の<中央広場>:ウラジオストク (2018.04.15)
- <生神女昇天寺院>(2018.04.14)
- <ポクロフスキー司教座聖堂>(2018.04.15)
- エレオノラ・プレイの像(2018.04.14)
- 霧の下の街…:ウラジオストク空港周辺(2018.04.16)
- ウラジオストク市章(2018.04.14)
- 霧の立ち込むウラジオストク空港の早朝(2018.04.16)
- “サリャンカ”=美味いロシアのスープ… (2017.04.15)
- 蒸気機関車 <Еа3306>:早朝のウラジオストク駅にて… (2018.04.1..
- <Золотая Бочка>(ザラタヤ ボチカ)=ロシアのビール (2018...
- 「ロシア柔道の祖」の記念碑:ウラジオストク(2018.04.15)