石山寺と言うが…辺りは独特な岩盤の地形で、古くから“石山”と呼ばれていた場所らしい。その石山寺は、なかなかに古い歴史を有している。奈良の大仏を建立していたような時代、大仏に施す鍍金(メッキ)に用いる金が産出することを祈願すべく、石山と呼ばれていた地の岩盤の上に庵が結ばれた。願いが通じ、2年後に陸奥国で金が産出した。そこから寺が起こったのだそうだ…概ね1250年もの伝統を受け継ぐことになる…<一番丸>のガイドさんは、この金の産出という故事から、参拝すると「金運が開ける」という話しも在ると紹介していた…
↓船を下りた辺りからは、直ぐに石山寺の門に至った…
↑京阪電車の駅よりも、<一番丸>が着く場所の方が、石山寺には近い…
↓寺の境内に入る辺りの眺め…
↑木々が茂る中、提灯が沢山下がっている箇所に通路が設えられている。実際は「寺の境内の小道」に過ぎないのだが、何か「森の中に築かれた参道」という趣も感じられる…
↓少し日が高くなり、陽射しが若干キツくなり始めるような時間帯だった…
↑境内の樹木や構造物が造る影と、光が当たる部分の落差…それが非常に鮮烈だった…
↓茂っている葉の下は日陰なのだが、何か「緑の光線」を感じた…
↑葉の表面が強めな光を受け、光が透けて緑色に輝く葉が、枝の影に覗き、辺りの建物も見える…
石山寺の境内を歩き回ると…個々の建物等よりも、こうした「光線と樹木と建物が創り出す雰囲気」に魅せられた…木陰のような場所を歩き回ると、逆に気に降り注いでいる夏の光の強さを一層意識する…という感じであろうか?
↓地名の由来となっている岩盤を伺わせるモノが見受けられる…
↑上の方に建物も在る…
↓岩盤が壁のように見える箇所の上、平らになった場所に多宝塔が在った…
今般の旅の“キーフレーズ”のような感となっか「夏の煌めき」というものを感じながら、この石山寺の雰囲気を愉しんだ。平安朝の時代の貴族社会では、この寺を訪ねて参籠するということをする人達も見受けられたという。かの紫式部は、この石山寺に参籠した際、かの『源氏物語』の着想を纏めたという伝承も在るという。河岸の古い寺で、境内で木々や建物が織り成す光と影…そんな場所でじっと時間を過ごしていると、“物語”のように、色々なことが頭を過るかもしれない。
↓石山寺の訪問で気になったのがこれ…
↑旧い画に在る“鬼”の姿を刻んだ石板が、石山寺に入る門の近くの小さな庭に飾られていた…
これは石山寺の伝承を題材にしたものであるという。石山寺で活躍した名僧が他界することになる際、自身は“鬼”となって石山寺の活動と世の安寧とを護ると誓ったという。暫く経ち、弟子にあたる僧が師を偲んでいたところ、寺の入口で金色の鬼を視掛けたという。「師は、その言葉のとおりに寺や人々を護っている」と、鬼の話しは伝承された…そして私が視掛けた石板も据えられた訳だ…
この石山寺は、「狭義の文化財」ということになるモノも擁している場所だが、寧ろ「全般の雰囲気」や「“鬼”の挿話や、紫式部の挿話のような伝承」まで全て含めて「広義の文化財」という感を強く抱く場所だ…
今般は「夏の煌めき」というような時季に立ち寄ったが…この石山寺の辺りは、時季を換えて、春、秋、冬に訪ねても各々に趣が在るかもしれない。更に…石山寺が在る坂本石山線の沿線も、なかなかに趣が在る…早くも再訪したくなっていることに気付かされる…
↓石山寺に立寄った8月1日の画…

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