2015年11月10日

鹿児島の路面電車:<かごでん>=101(2015.10.24)

鹿児島の路面電車は、1912年12月1日から運行を始めたとのことである…

この運行開始から100年という2012年12月1日、「101」の車番を与えられた車輛が新たに運行を開始している。

↓今般、その「101」に乗車する機会を設けることが出来た。
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (16)
↑鹿児島中央駅前に登場した様子である・・・

「101」は、詳しく言えば「百之壱」である。これには「100年目の記念に1輛造られた特別車」という含意が在るらしい。「鹿児島の電車」という程の意味も込められているのであろうが、<かごでん>という愛称も与えられている…

鹿児島で路面電車を運行している鹿児島市交通局では“観光電車”というものを運行している。休日等に運行するもので、鹿児島中央駅前から鹿児島駅前に至った後、高見馬場から郡元へ向かい、郡元から鹿児島中央駅前に向かうという具合で、鹿児島駅前での10分間程度の停車を挟んで約70分間で市内の路面に敷設されている軌道を、概ね一周するものだ。料金は、鹿児島駅前を挟んで「2回乗車した」という扱いになり、2回分の運賃で乗車可能だ。車内では、地元のおじさんやおばさんがガイド役を務め、沿線の様々な話題を伝えてくれる。「市内巡り観光バス」を路面電車で実施してしまうような企画である…

鹿児島では、新幹線によって他地域と往来し易くなることを受け、「来訪者が気軽に愉しんで、鹿児島のことをよく知ってもらう取組」という機運が盛り上がったらしく、“観光電車”もそうした中で登場したようだ。当初は<ユートラム>、<ユートラムII>というような、鹿児島市交通局が誇る新しい低床型電車が“観光電車”に投入されていたらしいが、「電車開業100年記念事業」の一環というようなことで、“観光電車”を「主な役目」とする車輛を仕立ててしまったのだった…それが<かごでん>である…

<かごでん>は、開業当初の大正時代から昭和の前半位までに見受けられた、「角張った型の木造車輛」をイメージした車体を設え、旧い足回りの上に載せてしまった“大改造”の車輛である。これが実に美しい!!

2012年12月、この実に美しい<かごでん>が登場することを知り、鹿児島に立寄って車輛を視て、更に乗車もしたのだったが…今般、肥薩線の各列車を乗り継いで鹿児島に至って夜を明かした後、次の場所―結局バスで宮崎へ向かったのだったが・・・―へ向かうまでに時間が在ること、加えて丁度運行の日でもあることから、<かごでん>に乗ってみることにしたのだった…

↓<かごでん>は車内も美しい!!シートは、赤系の薩摩切子をイメージした柄の、特注のクロスで覆われている…
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (17)
↑その他、細々とした箇所は、難燃性の部品に極薄の板を貼って仕上げるような手法で「昔の木造車のような風情」も醸し出すようにしている…

↓好天の街を悠然と走り、鹿児島駅前に到着したところである。鹿児島駅前では、フォーク状に3本の軌道が配されて屋根が被った場所を停留所としており、ここに入った電車は小休止をして、またそれぞれの行先に向けて発車して行くようになっている…
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (18)
↑左が<かごでん>…真ん中が、5連接構造で車体を延長して乗客定員を増やした低床型の<ユートラムII>…右は鹿児島に初めて導入された低床型の<ユートラム>で、本来は黄色の塗装なのだが、最近は御覧の赤のような広告塗装(ラッピング)も増えている…

↓概ね10分間の停車の中、他の軌道の車輛は入れ替わり立代りだった…こうして佇む<かごでん>…実に美しい!!
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (21)

↓出発が近付き、隣に2121が並んだ…2121の2100型は、低床型が普及する少し前辺りの時代の車輛で、方々で見掛ける路面電車によく在るような雰囲気だ…そういうよく在りそうなデザインと並ぶと、「旧いモノ」をモチーフに造った<かごでん>の個性が際立つ感じである…
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (24)

↓停留所名が示すように、JR鹿児島駅の入口の前に在る訳だが、天候条件によって背後に桜島の一部が姿を覗かせる…
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (30)
↑路面の軌道だが、交差点のような一部箇所を除き、原則的に芝生が敷かれている。音が静かになり、周辺の気温上昇を多少押え、照り返しが抑えられるので運転し易いというような、様々な長所が在る芝生敷き軌道であるが、「緑のカーペットの上を電車が往来」というような美しい光景を醸し出している。この芝生も、交通局で随分と工夫してメンテナンスを行っているらしい。何時視ても、芝生が綺麗で感心する…

↓「物凄く古い車輛」のようだが、「実は新しい」という辺りが、何か妙に面白い…
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (27)
↑鹿児島駅前で停車していた間、随分と写真を撮った…

この日、鹿児島の街では間近に近付いていた<おはら祭り>への備えの、提灯の飾り等も一部に見受けられたことから、ガイドさんは大勢の市民が繰り出して踊る祭りについて、電車も含めた車輛全般の通行を停める様子を話して下さった。そういう話題も含め、なかなかに愉しいお話しを伺えた…

↓やがて電車は鹿児島中央駅前に引き返して来る…
Tramcars at Kagoshima on OCT 24 (31)
↑自身で乗車した機会以外にも、鹿児島で何度か見掛けているこの車輛だが…再び乗車する機会を設けることが叶い、実に善かった!

<かごでん>は、“観光電車”の他に“貸切”で運用されている場合も在るそうだ…或いは…「開業100年記念」で登場したこの電車が「開業200年」の日にも元気で走り続けている…ということを願いたい…

いずれにしても…<かごでん>は「何度でも再会したくなる」ような車輛である!!
posted by Charlie at 20:38| Comment(0) | HDR/2015年10-11月の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする