「善いこと!!!」という話しの翌朝…「夢だったのか?」と疑ってみたくなることが在るのだが…今回は「夢ではない!!」のだ…
NBAの2014-15シーズン…リーグ王者を決めるプレイオフのファイナルは、“西”のゴールデンステート・ウォリアーズと、“東”のクリーブランド・キャバリアーズとの間で争われていた。対戦成績4勝2敗で、ウォリアーズはクリーブランドを破った。優勝だ!!本当に優勝した!!
ウォリアーズはNBAの草創期にフィラデルフィアに興ったチームで、フィラデルフィア時代に2回のリーグ優勝をしている。サンフランシスコ地区…ベイエリアに移転後は、1975年に優勝している。以来、優勝は無い…今回は「40年ぶり!!」なのだ!!
2007年に「第8シードが第1シードを撃破」という“奇跡”を演じ、ウォリアーズがプレイオフの1回戦を突破した時…「優勝でもしたような騒ぎ」だったが…今回は「本当に優勝」である!!私自身…昨夕は何時もの“W”に出掛け、「私としては珍しいオーダーですが…」とジョッキのビールを頼んで、「ウォリアーズ優勝おめでとう!!」と呑み干した…その以前に、夕刻に帰宅するや否や、「ウォリアーズの優勝を祝して乾杯!!」と一人でグラスの<明月>を呑み干して、一人で拍手までしてしまった…
2014-15シーズンのウォリアーズは、シーズン82試合を67勝15敗で終えた。パシフィック地区1位で、リーグ全体でも今季最高勝率だ…
「ウォリアーズの戦いぶり」と言えば…「100点取られたら101点取って勝つ!」という哲学を地で行くような感じが、何故か伝統のようになっていて…これは換言すると「1点差でも負けは負け」と紙一重で…「無理にシュートを?否、打たされている?」という展開が目立ってみたり、経験が浅い若手選手中心の布陣で、リーグ屈指のスターを擁する対戦相手に翻弄される一方だったり…何か「斯く闘い、斯く敗れリ」が延々と続く有様のシーズンが多かった…それでもオークランドで観た、根強いファン―「あんなチームを応援している奴なんか居るのか?!」とまで、米国のスポーツ関係のコラムに書かれていたことさえ在った…―、地元の老若男女―アリーナには、本当に近所のお年寄りという風情の方から、小学生位の可愛らしいお子さんまで集まっていて、好プレーに拍手を贈っている様子が視られる…―が試合を観ている中に混ぜて頂いて「何時か、このチームに栄光を!!」と応援し続けている。
67勝15敗という次元になると…“連敗”が殆ど記憶に残らない…何か「勝率を他チームと競り合った」というイメージさえ薄い…常時、半歩か一歩脱け出していた感じである。正直なところ、私は「恐ろしい…」と思った。「絶好調!!!」が「唐突に瓦解?!」という、「嫌だぁ!!!!」という状態が不意に訪れるような気がして怖かった…しかし…「東の果ての、凍る海の辺りで応援してくれている君!!心配無用!!」とばかりに、ウォリアーズはシーズンを通じて快進撃を続けてくれた…
今季は「我等が主将」ことリーの負傷欠場が目立った感だったが…カリーが「ステップアップを完全に果たした」感でチームを牽引していたように見える…ファイナルで対戦したクリーブランドは、かのレブロン・ジェームスを擁している。レブロン・ジェームスは2006年に札幌で視ている…漫画の『北斗の拳』に登場する強敵は、実際より大きく見えるように描かれて、身体の周囲にオーラが出ているようにまで描かれていたが…レブロン・ジェームスも正しくそんな迫力が漲っていた選手だった…ウォリアーズのカリーは、そのレブロン・ジェームスの世代の「少し後の世代」ということになるが、今季の奮戦の中で「対等、または対等以上に渡り合う」という感になった。そして破った!!
カリーとのコンビで“スプラッシュ・ブラザーズ”(「弾ける兄弟」ということか?)と呼ばれるトンプソン…何か「少し兄貴」のカリーと互いに刺激し合って弾けていた。更にバーンズやグリーン等、若い各選手も「優勝チームで名を上げてやる!!」というような野心と闘志が溢れる溌剌とした活躍を見せた。
今季は「欧州人の技と、米国人の力を持ち合わせる豪州人」ことボーガットが元気だった。激しい競技であるバスケットボールでは、負傷に泣く選手も少なくない…ボーガットもそうだったのだが、今季はほぼ万全な状態でシーズン入りして奮戦していた。リバウンドを“支配”してしまうボーガット…コートという大海を自在に泳ぎ回っている巨鯨のような存在感だ…
そして“ファイナルMVP”の表彰を受けたイグドーラ…何か“必殺!仕事人”というのか、「不敵な刺客」という存在感が在った…実力、経験、実績共に申し分無く「間違いなく常時先発」という感の選手ながら、カーヘッドコーチは敢えて彼を「六人目の男」ということにした。これが「瑕疵が在るでもないのに…」とチームを去ることになった前任のジャクソンヘッドコーチの采配との明確な違いだった…優勝を争えるような所へ進むには、「気合注入!!」、「流れを引寄せる!!」或いは「行こうぜ!!行けるぞ!!」と若い選手達を盛り立てたり、「マダマダ負けないぞ!!」と相手の主力選手を牽制する動きを見せるような、「何でもやるベテラン」が必要なのだ…NBAは選手の異動も多く、各チームの“差”が小さく見えるリーグで、近年は“連覇”の例が余り無い中、選手時代に「4シーズン連続で優勝」という貴重な経験をしているカーヘッドコーチは、自らも選手時代の後半に担っていた「何でもやるベテラン」の「六番目の男」という“重要な役”をイグドーラに託した訳である…カーヘッドコーチは、イグドーラを「自身が知る限り最もスマートな選手の一人」と評しているという。“スマート”とは「利口で器用」ということであり、「必要なことは何でもやろうとし、そしてそれが出来る」ということになる…
ウォリアーズを応援するようになったのは、サンフランシスコの想い出が切っ掛けだが…そのうち、バスケットボール観戦そのものが愉しくなった。バスケットボールは「最後の一瞬まで得点を挙げることを目指す」というゲームだ。“スコアレスドロー”が無い…何か「“スコアレスドロー”のようなモノを排し、勝とうが負けようが、試合終了のブザーが鳴る一瞬まで、1点でも得点してみようとする」というような“在り方”が…妙に好ましく思えるのである…
それにしても…「40年ぶりに優勝!!」である…“玄関マット”(米国プロスポーツで、「誰も顧みないような弱小チーム」をこういう具合に呼ぶ…)だった時期が永かったが、この優勝を機に、また近く新アリーナがサンフランシスコ市街側にオープンともいうから、ウォリアーズには「新たな黄金時代」を築いて欲しいものだ…
ウォリアーズ!!ありがとう!!
posted by Charlie at 06:55|
Comment(0)
|
エッセイ
|

|