阪急電鉄…幾つかの会社の合併や分離が在って、現在の神戸線、宝塚線、京都線を軸に幾つかの支線を運行する体制に至っている…
以前、
稚内から枕崎まで各種列車の乗継で到達した際の帰路、大阪・札幌のフライトに乗る前日朝を目掛けて、鹿児島・大阪間の夜行バスで大阪の梅田に到着したということが在った。その時、阪急電車の乗場を案内する表示を見掛け「阪急電車…乗ったことがない…こういう機会に…」と思い立ち、京都線で大阪・京都を往復してみた…あの時は、京都で何箇所か名所を訪ねて大阪に引揚げ、宿を見付けて泊まり、関西空港へ移動して北海道へ引揚げたのだったが…
今般は7月31日から8月2日の期間で、関西地域の各私鉄を自由に利用可能な“スルッとKANSAI”を手にしていた。8月1日に大阪側から京都側へ向かった際には京阪電車を利用した。8月2日に京都側から大阪側へ移動する場面では、阪急電車を利用してみることにした。
“阪急”というのは、会社が興った頃の正式社名だった“阪神急行”を縮めた呼称なのだそうだ…大阪・神戸を結ぶ神戸線がこの会社のルーツらしく、「阪急」と聞けば「大阪から西へ…」というイメージが少し強いかもしれない。或いは、かの有名な宝塚歌劇のスポンサーだという経過から、宝塚線のイメージも強めかもしれない。が、大阪・京都間の「大阪から北東へ向かう」という按配になる京都線もなかなかに賑やかだ…今般は「京都から南西」という、京都・大阪のコースを利用した訳だが…
初めて阪急の京都線を利用した時、駅の案内放送で「○号線」という案内の仕方だったことに気付いた。その方式は…現在も変わっていなかった…こういうディーテール…何時も、何となく気になる…
阪急京都線は、京都市内では地下を走る。地下鉄の京都駅から烏丸駅に至って阪急京都線に乗換える感じは、何か「東京メトロから都営地下鉄への乗換」を思い出すような雰囲気だ…列車は進むに連れて乗客が増え、下車する人が在る他方で乗車する人も在るというように入れ替わりも交えて大阪市内方面へ進んで行く。乗車したのは昼前の時間帯だったが…各学校は夏休み期間で、土曜日でも在るので、学校の制服風という若い人達―この旅行の期間、学校のスポーツ系クラブのTシャツやポロシャツ、またはジャージという出で立ちの人達は存外に見掛けた…制服姿は稀だった…―や、スーツ姿やオフィスでの夏の略装という雰囲気の人達は目立たなかった…車内は老若男女、様々な人が溢れている。何をしている方なのか、和服姿の方も見掛けて、或いは「京都周辺らしい?」等と思っていた…住宅が多そうな場所、沿線各市の中心的な場所と見受けられる地域を通り抜ける。地上に出て暫くした辺りで窓から街並みを伺うと、雨が降っていた…
↓雨の中、大阪の梅田駅に着いた…着いた列車は直ぐに京都方向への折り返し運転となるようだ。“河原町”と行先表示が出ている。この日乗車した烏丸の隣の駅で、京都線の京都側起点だ…
↑沢山のホームが在るが…片側を下車用にして、反対側から折り返し列車の乗客を乗せるというような利用の仕方をしていた。多少古い感じながら、ピカピカのタイルが貼られたホームだ…この駅も、色々な変遷が在って今日の型に落ち着いているようだが…
↓関連で…8月1日夜の画だが、京都線の京都側基点となる河原町の様子だ…「週末の夜」を過ごして帰宅するような人達が多いと見受けられ、なかなかに賑わっていた…
↑8月2日に京都・大阪間で乗車した車輌と違う型で、列車種別も違うが、車輌は同じ色の塗装だ…「同じ色」と言っても…車輌の導入時期が異なると「まぁ…えぇやろ…」―関西方面を舞台にしたドラマの劇中人物のような口調…―という感じで関係者が妥協する程度の差異は在るだろうし、濃い目な色である以上は経年変化で色合いも若干変わり、光加減で見え方も多少異なるであろうが…
↓阪急の電車…何か典雅な感じがする…
↑「もう少しゆっくり眺めていようか…」というような気分にもなった…
阪急の各車輛…格別に新しいモノが目立つでもなく、殊更に古いモノが頑張っているような印象でもない。“普通”では在るのだが…結局、殆どの車輛が“阪急マルーン”と呼び習わされている独特なカラーで統一されていて、非常に落ち着いた感じがするのである。このマルーン色に銀色の窓枠という基本が徹底している。一部の比較的新しい車輛に、白に近いアイボリー色のアクセントが入っている位だ…極々一部にステンレスの銀色という車輛も在るらしいが…視掛けなかった…
この“阪急マルーン”…京都線だけではなく、神戸線や宝塚線も同じ色だ…そして各列車は“特急”。“急行”、“普通”と停車駅が異なる列車種別も在る―“特急料金”が要る列車は設けられていないようだ…―のだが、列車種別を問わずに同じ色だ…或いは「どの路線も、どの列車も同じように御利用頂く」という意志表示なのかもしれない…
阪急という会社は、創業期の経営陣がなかなかに積極的で、「自社鉄道沿線の宅地開発に関わり、宅地の住民に自社路線を利用してもらう」という「顧客を創出する」というようなことや、「ターミナル駅にデパートを設けて、自社路線を利用する通勤客等に買物をして貰い、更に買物に出たい人達に自社鉄道を利用してもらう」という「交通インフラと商業施設が相互に補完しながら発展を目指す」ようなビジネスモデル…現在ではどこの鉄道会社でも考えているようなことだが、阪急はそうしたものに関して「日本での起こり」とも言える取組をしてきた経過を有している。そういうように“鉄道周辺”に目を向けて事業を続けている阪急だが…他方で、「どの路線も、どの列車も同じように」と各路線の各列車の車輛に同じマルーン色の塗装を施して走らせている様子を視ると、「“鉄道”への愛着と矜持」のようなものも感じる。「通りすがりの“一見”」に過ぎない立場で阪急電車を利用したが、何か嬉しくなるものが在る…
何か典雅な感じもするマルーン色の阪急電車…また機会が在れば利用してみたい…
↓京都・大阪間を阪急電車で移動した日の画…
posted by Charlie at 07:12|
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HDR/2014年7-8月の旅
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