「午後1時30分頃」という“約束”が在ったので、昼頃の街を歩き回ったが…雨が降ってきた…そして存外に強めな雨脚になって来た…
とりあえず立ち寄ったカフェで珈琲を頂きながら、始発の電車が走る頃から動いて、山道のような場所を歩き回った身体を休めた…グラスに水を注ぎに現れた店員さんに近所のコンビニの場所を訪ねた…「雨!?」と足早に通り過ぎてきた辺りに在ったということがハッキリした…
カフェを出て、そのコンビニに寄った…折りたたみ式の、用が無ければバッグに簡単に収まるモノが在った…それを求めた…(確り持ち帰っていて、拙宅に在る…)
その傘を早速に使い、路面電車の停留所を目指したが…
↓こんな店を眼に留めた…
![8598131243_48efe78899[1].jpg](https://mirage-hdr.up.seesaa.net/image/8598131243_48efe788995B15D-thumbnail2.jpg)
↑街角にひっそりと建っている様子でありながら、何か少し強い“存在感”を放っている感じだ…
この店…<ヴォアラ珈琲>という、珈琲豆等を売る店だ…国分に本店を構えていて、ここは鹿児島店である…個人のみではなく、各地のカフェでもここの豆を仕入れる店が在るのだという…なかなかに評価が高いと聞く…
「珈琲好き」が高じて、拙宅で豆を挽いてドリップするということを始めた昨今だが…何かに興味を覚えると、興味の対象の方から寄ってきてくれるという訳だ…
店内での立ち飲みや、カップに入れた珈琲の持ち帰りというものも在るが、豆の販売がメインだ…何気なく眺めると…“エチオピア”というモノに眼を留めた…そしてその“エチオピア”の在庫を訊ね、在ったので求めてしまった…
“エチオピア”…残念ながら訪ねたことが無い場所だが、“エチオピア”と聞くと色々なことを思い出す…
何時の間にかかなり旧い話しになっているのだが…モスクワに10ヶ月間程度暮らしたことが在った…近くに色々な国や地域の人達が居て、色々と話したことが懐かしい…何やらの祝日とかで、酒を持ち寄って飲んでみたり、手軽に紅茶を用意して茶飲み話もしていた…思い返すと…何処の人間であろうと、人種、国籍、宗教、その他“違い”を際立たせる要素というようなものは、実は然程重要でもなく…例えば「何となく気が合うか、そうでもないか…」というような次元の“違い”に時々気付かされる場合が在るということで、何処の人であろうと「所詮は人間」…などというようなことを思うようになったのは、このモスクワでの経験を通じてであった…
そんな時にエチオピアからモスクワに出て滞在中だった青年と出くわした…
モスクワでは…私自身を含むアジア系も少数派だが、エチオピアの青年のようなアフリカ系もそれ以上に少数派だ…少数派同士の邂逅であった訳だが…彼がエチオピアからやって来たことを聞き、「エチオピア?エチオピア…」と頭の中の“事典”を検索するかのようにしていた…当時はロシア語で話したのだったが、ロシア語ではエチオピアは「エフィオーピア」と聞こえるので、一瞬何処のことなのか判らなかったのだ…
その辺の紙を引っ張り出して、多少いい加減なアフリカ大陸の図を描いてみて、「エチオピアって…この辺りのエチオピアだね?」と訊ねてみた…先方は目を見開き「素晴らしい!!そのとおり!!そこが僕の故国エチオピアだ…」と握手まで求められた…
エチオピアの青年…少数派のアフリカ系なので、出くわす色々な人に何処から来たのか訊ねられ、「遠い所から来ているのですね」と多少驚かれることには慣れっこだったというが、「エチオピアって、ここですよね?」と場所を挙げたのは、彼がモスクワで言葉を交わした中では私が最初の例だったようだ…
エチオピアと言うと…五輪で活躍するマラソン選手を輩出している国である。学生時代に訪ねた鎌倉の禅寺で、「他の選手との競走をするのではなく、自分自身と競走するのだ」という、エチオピアの選手の言葉が、“禅”の精神に通じる表現として引用されているのを視掛けた記憶も在る…そんなことも引き合いに、「日本で“アフリカの国”と言ったら、エチオピアは多少は知られているかもしれない」等と青年と話した…
そんな具合に、国名を聞いただけで色々と思い出すエチオピアなのだが、彼の国の珈琲豆…凄く惹かれるものが在った…
こういうような、店で販売中の豆を千円以上購入すると…珈琲を一杯飲ませてくれるようになっている…そんな話しを聴き…
↓本格的な感じのエスプレッソを頂いてしまった…
![8598133073_dc1dcb155a[1].jpg](https://mirage-hdr.up.seesaa.net/image/8598133073_dc1dcb155a5B15D-thumbnail2.jpg)
↑本当に「濃縮された!!」という感じの一口で、なかなかに贅沢な感じだ…
思わずエチオピアの珈琲豆を求めてしまい、雨の中で予定どおりに路面電車の停留所に向かう途中、滞在していたホテルが見えた…珈琲豆が濡れてしまうのも嫌なので、それをホテルに置いて、そこからまた行動再開だった…
“モカ イルガチェフ”というのが、このエチオピアの珈琲豆の正しい呼称のようだが…エチオピアというのは、世界各地で栽培されて消費される珈琲の“原産地”の一つともいわれているらしい…
↓とりあえずこんな袋に詰められた状態で売られている…
![8598143351_d73cd6b2c9[1].jpg](https://mirage-hdr.up.seesaa.net/image/8598143351_d73cd6b2c95B15D-thumbnail2.jpg)
↑防湿を意図したジッパー付の袋に250gの豆…飲む分の豆を出して挽き、また確り口を閉めておけば、珈琲豆が保存し易い!!
雨の鹿児島を歩いて、不意に出くわした店で、色々と思い出すことのある未だ見ぬ国エチオピアの珈琲豆を入手した…愉しかった旅を思い出しながら淹れて飲む珈琲は、上品な苦味と酸味が混ざり合った「上質な“モカ”!!」であった…