2013年02月20日

長崎の路面電車:“201”と“5001”(2012.12.19)(FotoSketcher)

新旧様々な車輛が同じ軌道を、何ら特別なことが在るでもない、非常にさりげない様子で行き交っていることが、「路面電車の面白さ」の一つであるように思う。

“運行100年”というような事業者も見受けられるように、「路面電車を走らせる」という基本的技術は、既に“伝統的”な“確立された”ものである。複雑過ぎたり、繊細過ぎる訳でもない。だから年月が相当に経った車輛でも利用可能だ。また、“100km”というような次元の距離を行き交う列車の車輛と異なり、運行区域内の「端から端」で10km前後、或いはそれ以下というような軌道を行き交っている車輛なので、「軌道を往来する車輛」(=鉄道車輛)としては相対的に車輛のメカや素材に過重な負担が掛かり悪いのかもしれない。更に言えば、関係者の皆さんが整備の努力を永く受け継がれているということも忘れるべきではないであろう…

そうした路面電車の“面白さ”が強く感じられる場所…長崎である。長崎は、街を動き回る際の移動手段として、“路面電車”が真っ先に挙げられるような土地柄で、色々なタイプの車輛が視られる街だ…

↓グラバー園を訪ねようとした際に出くわした光景である…
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↑左の“201”、右の“5001”…「同じ事業者の車輛なのか?!」とも思う程、「全然異なる時代に登場した」ことが一目瞭然な感である…

“201”の方は、「懐かしい風景」というようなテーマの、街の風景を撮ったやや色褪せた写真に登場する路面電車の車輛がそのまま残っているかのようである…他方の“5001”は、如何にも「新型登場!!」と極々近年に紹介されたモノのように見える…

↓“201”と“5001”に関して、少し調べてみた…

<200型(201型・202型)>
1950年に登場した車輛。当初は“トロリーポール”の集電装置を備えていたという。1969年にワンマン運行向け改装が施され、1980年代以降には方向幕の改良や冷房設置等も行われているという。奇数番号は日立製作所製造、偶数番号は日本車両製造である。日立製作所製は頭文字の「ヒ」(“ひとつ”)に通じるから201形、日本車両製は頭文字の「ニ」に通じるから202形としたのだという。

<5000型>
2011年に登場した車輛。最新型の「超低床車」である。3つの部分が連結された構造で、前後の“A”、“B”に台車を備え、中間の“C”が「フローティング」となっている構造。延長16.3mというが、「乗降スペースからはみ出しそうな感じで停車」している様を視ても、他の電車よりも長いことは明らかだ。因みに、上記の200型は11mであるという。

“201”は、登場してから「60年以上」である!!“5001”は未だ運行が始まったばかりだ…この両者が「何ら特別なことが在るでもない、非常にさりげない様子」で並んでいるのだが…恐らくは、長崎で「普通にルーティンを組んで運行に充てられている車輛」(長崎には、特別な催しに際して使用される、更に旧いモノも在る…)としては、最も旧いモノ(=“201”)と最も新しいモノ(=“5001”)とが並んだことになると思う。

この様を停留所で見掛けた時には「見事な新旧対比だ!!」と少し驚いたが、旧い方の“201”が登場してから「60年以上」とまでは思わなかった。

“60年”と言えば…“201”と同年に生まれた人であれば、成人して仕事に就いて、永く活躍して、「御苦労様でした」と一線を退くに至るような年月である…“201”が登場した1950年頃は、長崎が戦後の殊更に困難な状況から抜け出して、やがて訪れる高度成長に向かって行こうとしているような時期に相当すると思う。そう思うと、“201”は「長崎の戦後を見詰めながら街を往来していた」という存在ということになる…

“5001”は、「停留所で段差無く乗降可能」ということで「誰でも安心して安全に乗降可能」な“超低床電車”を国産化―欧州諸国で盛んに導入されていたことから、「日本初登場!」の頃は欧州の車輛のライセンス生産方式であったという…―しようとして登場し、各地で活躍している「リトルダンサー」―“little dancer”(小さな踊り子)だが、「リトル(小さな)段差」という洒落にもなっているらしい…―というシリーズの一つである。長崎では“5001”が登場した後、同型の“5002”も登場している。

“5001”が、隣りの“201”のように「初登場から数十年」というようなことになる頃…どのような新しい車輛が登場していることだろうか?そんなことを思うと、路面電車は「時空を超える!!」存在のように見えてくる…
posted by Charlie at 20:03| Comment(0) | FotoSketcher/長崎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする